
腕時計ムーブメントの動向
ETA問題が以前より時計業界では常に話題になっていましたが、最近ではスウォッチグループ以外への供給は確実に少なくなってきており、ETAを使用していたブランドは次々とセリタへの移行を初めています。
ムーブメント会社の注目ブランド「ケニッシ」
以前よりマニュファクチュールムーブメントを開発するブランドも増えてきていますが、ブランド内でマニュファクチュールムーブメントを開発製造には多大なコストがかかるという事で、そのニーズを汲み取る形で勢力を伸ばしてきたのが、「ケニッシ」です。チューダーから誕生したムーブメント会社という事もあり、信頼性も高く、勢力を伸ばしてきたのは当然と言えますね。ケニッシ搭載ブランドは、チューダー、ブライトリング、シャネル、ベル&ロス、ノルケイン、タグ・ホイヤーなどがあります。
AMT(Manufacture AMT)とは?
そんなケニッシに対抗するブランドが登場しました。その名もAMT(Manufacture AMT)です。日本ではまだまだ知られていないムーブメント会社ですが、既にタグ・ホイヤーのアクアレーサーの一部モデルに搭載されています。
AMT(Manufacture AMT)は、なんとセリタが生み出した、時計ブランド向けにハイエンドのカスタム、またはそのブランドの為にムーブメントを製造する「マニュファクチュアリング」ムーブメントを製造する部門です。セリタのキャリバー番号に「AMT」という表記がある場合、それはセリタのブランドであるマニュファクチュール AMT SA によって製造された時計のムーブメントを表します。Manufacture AMT に関する公開情報はあまりないようなのですが、セリタの 2022 ~ 2023 年の公式カタログには一度だけ言及されているようです。
「本格的なメーカーとして、セリタは高品質の機械式ムーブメントの設計、製造、組み立てのすべての重要な段階を社内で管理しており、セリタの専門知識は、機械式ムーブメントの心臓部である調速部分などだけでなく、機械の設計と製造にも及んでおり、そのノウハウを活用し、従来の中核事業に加えて、セリタは現在、Manufacture AMT ブランドの下でカスタムメイドのムーブメントやコンプリケーション、さらには一連のハイエンド ムーブメントも提供し初めています。
マニュファクチュールとは?
日本ではマニュファクチュールムーブメントといえば、一つのブランドで全て自社一貫生産。自社デザイン、自社製造がおこなわれているムーブメントの事を指すことが多々ありますが、スイスではそのマニュファクチュールの考え方が異なっているようです。上記のようなムーブメントは「IN HOUSE MOVEMENT」と表示されマニュファクチュールムーブメントの中の一つという位置づけです。ケニッシやラ ジュー ペレ、そして今回ご紹介したAMTなどに依頼し、そのブランドのために製造されたムーブメントもスイスではマニュファクチュールムーブメントと呼ばれています。
ノルケインもAMTを採用
ケニッシと強固なパートナーシップを築いていると思われていたノルケインも、最近AMTに依頼し、スケルトンクロノグラフのムーブメントを開発したことが発表されました。ケニッシは製品作りに独自のこだわりがあり、スケルトンムーブは制作しないと言われています。ノルケインはどうしてもスケルトンのクロノグラフを制作したかったんでしょう。そうなるとAMTを選ぶしかなかったというところでしょうか。
あとがき
このような状況であるので、セリタと付き合いのあるブランドはかなりの数ありますので、今後このAMT搭載モデルというのは、様々なブランドで目にするようになるのではないでしょうか?
ブランドの選択肢が広がるという事は、ムーブメント会社の競争も競争も増え、技術力の向上や価格競争も増えてくると思いますので、良いムーブメントを搭載した時計がお手頃な金額で購入できるという可能性が高まるという事だと思うので、楽しみですね!
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